子どもの好奇心をぐいぐい伸ばすコツ2
「〇〇だよね。でも××はどうかな?」
子どもの好奇心を高める2つ目のコツは、子どものこれまでの「当たり前」を少し揺るがしてあげること。
たとえば、次のような親子の想像してみてください。
親:1年は何日だっけ?
子ども:当たり前でしょ、365日。
親:そうだね。当たり前だけど、なんでそうなんだっけ?
子ども:え、あれでしょ、えっと、地球が太陽の周りを回るのが365日だからだよ。
親:うん、そう。だけど、そういえば閏年っというのもあるね。
子ども:2月が1日増えて29日あるやつだよね。
親:そうだね。そうすると閏年の時は1年が366日か。それって、閏年だけ、地球が遅くなるっていうこと? なんかおかしいね。
もちろん、地球の速度が閏年に遅くなるわけではありません。
地球が太陽を回るのに365日よりも少し時間がかかっているところを、閏年で調整しているわけです。
しかし、ここでは、それを直接子どもに説明するのではなく、まずは1年の日数と地球の公転周期に関する子どものそれまでの理解を、「こうだよね」と確認することから始めています。
そのうえで、閏年を使って「これはどうかな」とその理解を少し揺さぶっているわけです。
まさに、「〇〇だよね。でも××はどうかな?」の対話法です。
このように、子どもの現在の理解を掘り下げるときに、直接新しい知識を説明するのではなく、今の理解を確認したうえで、それに疑問を呈する形で好奇心を引き出すことができます。
子どもの好奇心をぐいぐい伸ばすコツ3
「何が起こると思うかな?」
3つ目は、これから何が起きるか予測するように問いかけること。
先に、こちらからこれから何が起きるかを詳細に説明するのではなく、状況や前提を説明したうえで何が起きると思うかを、あえて子どもに問いかけてから、実際に何が起きるかを観察させます。
子どもの予測を聞いた後に、正しい答えを説明するのですが、そうする前にあらかじめ問いかけることで、子どものメタ認知が促され、学びが効果的になり、さらに子どもの探究心がアップすることがわかっています。[3]
知識を詰め込もうと焦って、最初から正しい答えを直接教えると、他の可能性を考えようとする子どもの好奇心を抑制してしまいかねません。
できる限り子どもが次の一手を考えられるように、指導的質問(pedagogical questions)をうまく取り入れていくことがおすすめです。
【参考先】
*1 Masnick, A.M., Klahr, D. Error matters: An initial exploration of elementary school children's understanding of experimental error (2003) Journal of Cognition and Development, 4 (1), pp. 67-98.
*2 Schulz, L. E., & Bonawitz, E. B.(2007). Serious fun: Preschoolers engage in more exploratory play when evidence is confounded. Developmental Psychology, 43(4), 1045-1050.
*3 Yu, Y, Landrum, AR, Bonawitz, E, Shafto, P. Questioning supports effective transmission of knowledge and increased exploratory learning in pre-kindergarten children. Developmental Science. 2018; 21:e12696.