「自分の心をケアするため」に、
適度にお金を使うことを自分に許す
自分の機嫌をとれるのは、自分しかいません。
自分で自分を追い詰める人間になったら、あなたはどこにも逃げ場がなくなってしまいます。それだと、そんなに頑張っているあなたが、可哀想じゃないですか。
特に日本では、清貧の思想というか、質素な生活をして、あくせく貯金することを「美徳」とするような傾向があります。
また将来を考えると住宅費であったり、子どもの教育費であったり、親の介護費であったりと、お金を使いにくくする不安を、誰もがかかえざるを得ない世の中です。
そうした中で「将来のために今は自分の欲を抑えよう」と、とことんまで自分を縛りつけ、がんじらめの生活を強いてしまうと、生きるのが辛くなってしまいます。
何でも過ぎたるは及ばざるが如し。
薬も過量であれば毒にしかなりません。やり過ぎれば誰だって辛くて疲れて悲しくなるのは当然です。
こういう考え方から抜けられないままだと、あなたは、あなたの人生を非常に辛くしてしまいますし、病気や予想外のトラブルなどに巻き込まれたりすれば、結果的により多くの出費になってしまいます。
そうならないよう、「自分の心をケアするため」と考えて、普段から楽しみのために適度にお金を使うことを自分に許してあげてください。
楽しみのためのお金を使うことは、自分への投資。人生において必要な経費なのです。
【POINT】
楽しみのためのお金を使うことは、人生において必要な経費だと考える。
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー6.4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。