生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】<br />「人を動かす」のが苦手な人こそ<br />自覚するべきこと

人を動かす2つのポイント

カナダの精神科医エリック・バーンさんは、「過去と他人は変えられない。あなたが変えられるのは自分自身と未来だ」といいました。「他人は変えられない」とはいえ「他人を動かしたい」ということはあります。デール・カーネギー著『人を動かす』(原書名:How to Win Friends and Influence People)が、1936年にアメリカで刊行以来、世界中で読み継がれていることにも、そうしたニーズの高さが感じられます。

では、どうしたら「人を動かす」ことができるのでしょうか? 結論からいうと、人は納得したときに動きます。「人を動かす」というと、軍隊のように上意下達で指示・命令するようなイメージがあるかもしれません。軍隊であれば、それでいいのかもしれませんが、一般の生活やビジネスにおいては難しいです。いくら会社で上司・部下の上下関係があったとしても、指示・命令だと表面的な浅いところだけで人を動かそうということになるので、ときに反発さえ招きかねません。

だから、部下を理責めにして叱っても、納得して動きません。たとえ叱った内容が正論であっても、部下が納得しない限り、いわれたからしぶしぶ動く程度でしょう。本当に人を動かしたいであれば、「なぜ動く必要があるのか」そして「動くとどういうメリットがあるのか」を伝えることです。この2つを納得したら、人は動きます。

「説明」するのではなく「納得」してもらう

人を動かすには指示・命令ではなく、教育・啓蒙のような意識を持つといいでしょう。つまり人を動かすには、「やることを説明する」のではなく、ある種の精神的な話し合いをして「やることを納得してもらう」ということが効くのです。場合によっては、動くことによって、「人間的な成長が期待できるよ」という伝え方も有効です。

人を動かすには、自分がよりよい生き方をすることも大切です。究極的には、まわりから尊敬されるような生き様であれば、「あの人のいうことなら動こう」となります。「自分は恥ずかしくない生き方ができか」と一度ふり返ってみてもよいでしょう。

ワクワクしながら生きていますか?

自分らしく生きて、自分のやりたいことをやっている人は、ワクワクしたりしながら、楽しそうに毎日を生きています。それがまわりの人にとって魅力的に映る。「こんな人になりたいな」と思われるような生き方をしていれば、発する言葉に納得し、人が動きやすくなるもの。

それは一朝一夕に、わずかな時間でできることではありません。人を動かすには、急がば回れ。結局は、自分が楽しそうに人生を歩むことが、人を動かすことにつながるのです。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。