信者たちが自立していく強さ

 一日5回の礼拝というのはたいへんなように思われがちです。

 でも、人間の脳の集中力は、2時間ぐらいしか持続しません。

 5回の礼拝は、気分転換として脳科学の立場からすれば案外合理的なのかもしれません。

 総じて六信五行は誰でも守れるように思えます。

 断食は、少しつらいなと思う人がいるかもしれません。

 しかしヘルシーな行でもあります。

 専業の司祭や僧が存在しないイスラーム教では、守りやすく実践しやすい六信五行を各自が主体的に守ることで、信者たちが自立していく強さが生まれたという側面があったと考えられています。

『哲学と宗教全史』では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を、出没年付きカラー人物相関図・系図で紹介しました。

 僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。

(本原稿は、13万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)