すごい特例② 「配偶者の税額軽減」

 また、夫婦間の相続であれば、最低でも1億6000万円まで無税になる、「配偶者の税額軽減」という特例があります。極端な話、遺産が1億6000万円以下の方であれば、すべての遺産を配偶者に相続させれば、相続税は0円になります。

 ただ、この場合も先ほどと同様に、相続税の申告が必要になりますので、ご注意ください。

 一方で、相続税申告が完全に不要となるケースも存在します。例えば、生命保険金の非課税枠を使うと基礎控除額を下回る場合には、申告は不要となります。そのほかにも、相続税の障害者控除、未成年者控除などの各種税額控除を使って相続税が0円になった場合にも、相続税の申告は不要です。

「相続税0円」の注意点

 配偶者の税額軽減を最大限に使えば、相続税は結果として0円にできますが、この形が有利になるとは限りません。むしろ最終的には不利になることも多いです。その理由は、一次相続で配偶者に遺産を相続させすぎると、二次相続(配偶者が亡くなった場合)の税金が非常に高額になるからです。

相続税の申告と納税の期限

 相続があったことを知った日から10か月です。例えば、令和4年4月1日に相続があった場合は、その10か月後である令和5年2月1日が申告期限となります。10か月後が土日祝日であった場合は、次の平日が申告期限です。

 この日までに申告書を税務署に提出し、納税まで完了させる必要があります。なお、申告と納税は、期限内であれば、どちらが先でもOKです。納税が先、申告を後にするというケースもあります。

 最後に「相続税のかかる財産」と「相続税のかからない財産」のリストを紹介します。