相続税はいくらかかるのか。遺産は自由に分けられないのか。相続は断片的な知識で準備をすると痛い目に合う。特集『「普通の家庭」が一番危ない!相続完全ガイド』(全14回)の#3では、相続税と遺留分という相続トラブルを招きやすい超重要な2大基礎知識について、相続専門税理士の橘慶太氏に解説してもらった。
遺言書があっても遺産は自由に分けられない
相続の超重要基礎知識「遺留分」
遺言書がない場合、相続人全員の同意がないと遺産の分け方を決めることができません。どうしても折り合いがつかなければ、調停や審判で決めることになります。
一方、遺言書さえあれば、基本的には遺言書通りに遺産を分けていくことになり、手続きが長期化する可能性は低いです。
しかし、ここにも誤解があります。遺言書があったとしても、「自由に遺産が分けられるわけではない」ということです。
これは「遺留分」という制度が存在するからです。
私は相談者に対して、「難しい専門用語を覚える必要はない」と伝えていますが、遺留分だけは別です。重要度が極めて高いので、これだけは覚えておいてください。