英単語はそこそこ知っている。文法もそれなりに分かる。にもかかわらず、英語が聞こえない、通じない、会話が続かない日本人が多いのはなぜでしょうか? 国際ヘッドハンティング会社のアジア支社長を務め、現在、シンガポール国立大学で世界の留学生たちに英語コミュニケーション術を教える著者は、その理由を「日本人の英語の勉強法が間違っているから」だと言います。香港生まれで、東京外国語大学の日本語学科を首席で卒業した著者は、「日本語の言語学的特性」を熟知した上で、日本人が最速で英語を身に付ける方法を考案し、これまでに多くの日本人をペラペラにしてきました。そのメソッドを初公開し発売即重版となった話題の書が「7時間で英語が突然ハッキリ聞こえて会話が続く本」です。本書の中から、カタカナ英語と中学英語だけで、驚くほど会話がはずむようになるコツをお伝えしていきます。(初出:2021年8月11日)
コミュニケーションは、子どもに学べ!
英語ネイティブの国の子どもたちが話しているところを映画やテレビ、あるいは街角などでご覧になったことはあるでしょうか。
子どもたちは、まだまだ語彙力はそれほど持っていないし、文法もよく分かっていません。それでもご両親や周りの人たちと、ちゃんとコミュニケーションが取れていて、意思の疎通にまったく問題がありません。このことは、前にも少し触れましたが、その理由を考えてみましょう。
会話に耳を傾けているとすぐに気づくのは、子どもたちはシンプルな短い文で話しているということです。自分が知っている単語を使って、一生懸命に言いたいことを伝えているのです。
日本人の大人たちは、本書でも書いている通り、英語を学ぶ前から、2000語程度のカタカナ英語を知っています。つまり英語圏の子どもたちよりもずっとたくさんの英単語を語彙としてすでにインプットしています。子どもたちがやっているのと同じ方法を使えば、コミュニケーションに困ることはないはずなのです。
試しに、少しやってみましょう。まずは、簡単な短文から。
おそらく、日本人が中学校1年生くらいのレベルで習う短文ですね。
I’m Japanese. 私は日本人です。
It’s a rainy day today. 今日は雨です。
Michael called me last night. マイケルが昨夜電話してきた。
I forgot to bring my wallet. 財布を持っていくのを忘れた。
John is a smart and diligent person. ジョンはスマートで勤勉な人です。
Carol is wearing a raincoat. キャロルはレインコートを着ています。
He woke up early in the morning. 彼は朝早く起きました。
I’m always thinking about her. 彼女のことをいつも考えています。
I’ve never eaten sushi before. 私は寿司を食べたことがない。
Jenny just married a British guy. ジェニーはイギリス人男性と結婚したばかりです。
どの文も、シンプルな構造と簡単な単語なので皆さんのレベルならすぐ理解できますよね? しかし、いつもこんな短い文だけではまるで子どもみたいだとバカにされるのじゃないかと心配されるかもしれませんね。大丈夫、次に「つなぎ語のマジック」をご紹介します。