「お金は欲しいけど、仕事はしたくない」「仕事はキライじゃないけど、お金のために働くのはイヤだ」「定年まで働くなんて考えられない!」
そんな思いが少しでもあるのなら参考にしたいのが、入社4年目の26歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした遠藤洋氏の著書『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)だ。仕事をしながら小型株集中投資によって資産を築いた著者が、「最速でお金から自由になる」ための秘策を伝授! さらに、「お金」にも「時間」にも「場所」にも縛られず、好きなことで楽しみしながらお金を得て、自ら実践している人生を最大限に満喫する方法を徹底指南する。
※本稿は『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
付加価値の低い仕事は“アウトソース”する
【前回】からの続き
「仕事の必要性が高い」ものの、「仕事が生む価値が低い」右下にあるエリアの仕事は、基本的にすべてアウトソースしたほうがよいです。職人気質であればあるほど、他人に仕事を任せることが苦手だったり、「この仕事は自分にしかできない」と思い込んだりしているかもしれません。
しかし、いくら必要性が高くても、付加価値の低い仕事を自分でやる必要はありません。「付加価値の低い仕事は一切やらない」と割り切る勇気が必要なのです。
あなたが仕事に使える「時間」というリソースは有限です。同じ1時間を付加価値の高い仕事に使うのか、付加価値の低い仕事に使うのかで、天と地ほどの差が出ます。
「自分の時間」をどう使うかが大事
近頃は短時間の仕事を外注できる「ギグワーク」の市場も新たに開拓され、仲介サービスも増えてきました。ほとんどの仕事を外注できる環境は、実はすでに整っているのです。時間をどう使うかによって、得られる成果がどれだけ異なるか、ここで少し考えてみましょう。
付加価値の高い仕事を1時間やることで、「10」の価値を生み出せるとします。一方、付加価値の低い仕事は1時間やることで、「1」の価値を生み出すとします。
付加価値の低い仕事:1の価値/時間
1時間で10の価値を生み出せる人が、1の価値を生み出すために1時間を使ったとき、付加価値の高い仕事に使っていたら生まれていたはずの10の価値を生み出す機会を損失することになります。つまり、その差である9の価値を損失します。
自由になるために欠かせない考え方
こうした「時間コスト」の感覚を持っていないと、本人が気づかないうちに大きな機会損失を被ってしまうのです。次の例では、すべての仕事を自分でやるより、付加価値の低い仕事は外注してしまったほうが、倍近い金額を得られることがわかります。
外注コストは発生するものの、その分、より高付加価値の仕事に使える時間が増えるため、トータルで見れば倍近くの収入を得られることになります。
一見、すべての仕事を自分でやるほうが、出費がない分、経済的損失が少ないように感じるかもしれません。しかし、実は目に見えない機会損失が大きくなるのです。
「ほかの人にやってもらう」という発想
この考え方をシンプルにまとめると、あなたがやるべき仕事は「いちばん高い時給が得られる仕事のみ」で、それ以外の仕事は、ほかの人にやってもらうのが合理的なことがわかります。
「自分の時給」よりも低いものはすべてアウトソースして、その時間分だけ付加価値の高い仕事をしたほうが、その差額分の経済的メリットが生まれます。仮に募金のボランティア活動を1時間行って800円しか集まらないのなら、時給1000円のアルバイトをして全額寄付したほうが、実は合理的なのです。
もちろん、すべての行動に対して、正確な時間単価が細かく算出できるわけではありません。しかし、日常的な行動の参考に、「時間コスト」という考え方を身につけることが「本当の自由」への近道になることは間違いありません。
※本稿は『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。