移動平均線は「補給部隊」だと思え!
――SNSやメディアで取り上げられている株を買う人も多いと思います。誰かが推薦している銘柄を見ると、やっぱり買いたくなってしまうのですが、そういう買い方について窪田さんはどう思いますか?
窪田:色々な情報を集めることは悪いことだとは思いません。ですが、買う前に「自分の目」でチャートを見て、売買の判断をした方がいいと思います。
チャートからは本当にいろんな情報をキャッチすることができます。
たとえば、移動平均線と株価の「かい離率」です。
誰かが推薦している銘柄というのは、たいてい上昇している株だと思いますが、その上昇トレンドが長続きするかどうかはわかりません。そんな時には、単に株価が上がっているかどうかだけでなく、「株価と移動平均線が、どのくらい離れているか」を見ていくことが重要です。
――それはどういう意味ですか?
窪田:詳しくは『株トレ』にも書いているのですが、私は「孫子の兵法」が大好きなので、よく軍隊のイメージでたとえるんです。
株価は「前線部隊」で、移動平均線は「補給部隊」です。前線部隊が連戦連勝でどんどん勝ち進んでいると、当然株価は上がります。それにともなって補給部隊もついてきていれば、当然その先も前線部隊が好調に勝ち進んでいく可能性が高まります。
一方で、前線部隊は調子に乗ってどんどん勝ち進んでいたとしても、補給部隊がついてきていなければ、どこかで必ず力が尽きます。
「孫子の兵法」にも書いてあるのですが、前線部隊が好調でどんどん先へ行ってしまう場合、たいてい兵站が伸びてしまいます。騎馬隊に比べて歩兵は遅くなりますし、補給部隊はさらに後ろにのびてしまう。そういう軍隊が勝ち続けるのは難しいでしょうね。
株も同じで、どんなに好調な株でも、株価と移動平均線が大きく離れていれば、その好調さが長続きする可能性は低いです。補給部隊が離れすぎている場合、ちょっと売りが入るだけで、一気に前線が崩れるリスクがあるので注意が必要です。