不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】「喧嘩するほど仲がいい」…そんな人ほど“仲が悪い”のは、この言葉を誤解しているからだ

「喧嘩するほど仲がいい」は嘘

「喧嘩するほど仲がいい」といわれます。「お互いに遠慮なく言いたいことを言い合える関係性」とか「反対意見をズバズバ言い合っても大丈夫な関係性」などを意味する言葉です。そんな関係性って、本当に存在するんでしょうか?

ウチのクリニックのスタッフと雑談していたら、「喧嘩するほど仲がいい」という言葉には、すごく違和感があるというんです。「なるほど、確かにそうだ」ということで、雑談が盛り上がったんですね。

遠慮なく言い合える関係性で喧嘩ばかりしていると、結局は疲れちゃって、一緒にいるのも居心地が悪くなると思うんです。そして、「仲がいい」どころか、関係性が悪化しやすいです。

本当にいい関係性とは?

「喧嘩するほど仲がいい」というのが完全に100%嘘かというと、そうともいえなくて、“ちょっと語弊がある”と思うのです。

本当に仲のいい相手というのは、「不満を抱いたときに伝えられる相手」なんです。いちいち喧嘩したら仲がいいというわけじゃないということです。

相手に不満があったら、片っ端からぶつかって、ガンガン喧嘩してるとどうなるかというと、本当に顔も見たくなくなってしまいます。喧嘩までには至らないけれど、なにか気になることがあったら、ちゃんと伝えることができて、相手を思いやりながら話し合えるのが本当に関係性なんですね。

価値観が合うと喧嘩もしない

つまり、お互いにそういう信頼感があるということ。そして、価値観が合うということでもあります。そういう相手とは、結局のところあまり喧嘩をしません。

価値観が合う相手とは、あまり不満が募ることがありませんし、不満が募ったとしても、その違和感を感じとって対処してくれたりする。そんな信頼感のうえに成り立ってるのが、仲のいい相手であって、「喧嘩するほど仲がいい」というのは大いなる勘違いなんだと思うんです。

不満があったら、相手を気遣いながら、相手に伝わるように話をして、お互いに思いやりのあるなかで、調整し合える仲というのがいい。その前提となるのは、お互いの価値観が共通していて、あまり違和感を持たないということなんですね。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。