写真:東京マラソン2015写真はイメージです Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大で中止になっていたマラソン大会の多くが、この秋からのシーズンは通常通り開催される見通しとなっている。一方、10月開催予定の横浜マラソンは参加費が2万円、来年3月開催予定の東京マラソンは2万3300円と発表され、ランナーからは「(他の大会も含め)参加費が急騰している」とため息が漏れる。マラソン大会は一般のイベントと違い、中止になっても返金されないケースが多い。コロナ第7波が猛威を振るう中、エントリーに二の足を踏むランナーも多いようだ。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

年々上昇する
マラソン参加費

 東京マラソン財団は15日、来年3月5日開催予定の東京マラソンで都民向けのエントリー受け付けを開始した(都民以外は29日から)。

 第1回東京マラソンが開催されたのは2007年2月。要項が発表された際、都内のメインストリートを走れるというコンセプトとともに、参加費が大台の5桁(1万円)というのは多くのランナーに衝撃を与えた。

 当時、地方自治体が中心となって主催する市民マラソンの参加費は5000円前後が一般的で、7000~8000円は「高い」というイメージだった。ランナーから「高い」「妥当」とさまざまな意見が上がり、かなり議論になった記憶がある。

 その後も第8回(14年)までは現状維持で相場として定着し、第9回から800円値上げされたが「誤差の範囲」という印象だった。ところが、第14回(20年)ではいきなり1万6200円に値上げされ、間の悪いことにコロナが流行。出走はエリートランナーに制限されてしまう。「やむを得ないこと」(筆者の友人)と承知せざるを得ないものの、出走を予定していたランナーの落胆はかなり大きかった。

 そして今年6月、来年3月の要項が発表され、多くのランナーが参加費に「マジか」「うそだろ」「何があったの?」と目をむく事態に。ただ、エントリーしたランナーは既に定員を超えて抽選が確定しており、多くが「それでも走りたい」と感じているようだ(実は筆者もエントリー済み)。