「コミュニケーションは“お笑い”のスキルでもっとうまくいきます」。そう語るのは、元芸人でネタ作家の芝山大補氏だ。芸人300組以上のネタ制作に携わった経験を活かし、ビジネスパーソンから一般の方まで幅広い層に「コミュニケーションに活きる笑いのスキル」を教えている。そのノウハウをまとめた初の著書『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』が6月1日に刊行され、話題を集めている。「初対面でも会話が続く人がやっていること」「相手の心に10倍響く“感想”の伝え方」「好かれるリアクションの極意」「すべらない話の作り方」「お笑いタイプ診断」など、元芸人ならではのコミュニケーションノウハウが満載の一冊だ。今回は、その芝山氏に会話を面白くするコツを聞いてみた。

コミュ力の高い人が「感想を伝えるとき」に使っている“絶妙なひと言”とは?Photo:Adobe Stock

「感想」を伝えるときは「描写まで伝える」とおもしろくなる

 会話で少しでも気の利いたことを言いたいですよね。しかし、”ボケる”こともできないし、かといって”普通に答える”のもイヤだ。今回紹介する技術は、そんな人にもってこいです。

 その方法は、「感想」を伝えるときは「描写まで伝える」というものです。たとえば、こんな会話があったとしましょう。

A「お前さ、先月初めて〇〇会社の営業にいったやん? どんな感じやった?」
B「緊張しました」

 これに「描写」を加えるとこうなります。

A「お前さ、先月初めて〇〇会社の営業にいったやん? どんな感じやった?」
B「緊張しました。背もたれに背中つけれなかったです」

 このように描写まで伝えたほうが、そのときの絵が浮かんで楽しいですよね。また、「そういうことってあるよなぁ」と相手が共感しやすいことで会話もはずみやすくなります。

・「昨日面接はすごく緊張しました」→「昨日の面接は、すごく緊張して足がガクガク震えました」
・「初出勤は疲れました」→「初出勤は疲れました。次の日、疲れすぎてベットから出られなかったです」
・「最近、仕事でミスばっかりで辛いんですよ」→「最近、仕事でミスばっかりで辛いんですよ。もう上司が目すら合わせてくれないですもん」

 これだけで相手との会話も弾みやすくなるでしょう。ぜひ使ってみてください。拙著『おもろい話し方』でも、相手を話に引き込むテクニックや、会話で笑いを生むポイントなど、会話・雑談のコツを多数紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

芝山大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。発売即重版が決まった初の著書『おもろい話し方』が絶賛発売中。