面接官の心に、「何が残せるか」

「何を伝えるか」ではなく「何が伝わるのか」。これがすべてだ。

「自己PRではどんなことを話せば良いか?」
「志望動機はどんなことを話すと有効か?」
「想定外の質問にはどのように対応すればよいか?」
 就活生であれば、誰もが一度は考えたことのある問いではないだろうか。

「誰だろうと、この一言を言えば、間違いなく内定する」という「正解」は絶対に存在しない。

 大学受験までで経験してきた、正解のある問題を解いていく作業に成功体験がある人ほど、その正解を導きたがる。
 しかし、ここが落とし穴だ。
 こういう人は話す内容のロジック構築にばかり意識が向いてしまう。完璧に準備したスクリプトを面接会場で暗唱すること(一字一句違わずに)にばかり気が向いてしまう。

 多くの場合、棒読みになる、言葉に気持ちが籠らない、文章が長くなることが多い。面接官は「暗記したことを話しているだけだな、せっかく面接に呼んでいるのにこれではコミュニケーションにならない。」と退屈してしまう。

 そうすると、何をPRしようと、採用担当者には「コミュニケーション能力の低い人」という印象が残ってしまう。つまり、伝えた内容よりも「相手に伝わった印象」がその人の評価に繋がってしまうのだ。

よくある面接の失敗するシーンに以下のようなものがある。

・緊張で自信のない表情でリーダーシップをPRする。
  →逆に「小心者」の印象が伝わる
・コミュニケーション能力をPRしているのに、話がやたらと長い
  →「コミュニケーション能力の低さ」が伝わる
・コツコツ努力できるところをPRしているのに、受けている企業のことが調べられていない
  →「ずぼらさ、手抜きのクセ」が伝わる

 このような例は、挙げたらキリが無い。
 伝える内容が良いから、その人が評価されるのではない。
伝えている内容とそれを伝えている人物が一致して初めて相手に伝わり、評価につながるのだ。

 自分のPRを再度読み返して、自分に問いかけてみて欲しい。
「きみは、伝えようとしている内容にふさわしいきみになっているか。」