同じ大学・学部出身、バイトや卒論、サークル活動にボランティア、
他の学生と同じような経験をしているはずなのに、
エントリーシートや面接で落ちる人と受かる人がいるのはなぜか。
明暗を分けるカギは、エピソードを語る「切り口」にあった!
第3回は、切り口の違いで輝きも変わる「アピールの法則」を伝授する。
企業が欲しいのは、変わった経験をした人ではなく、
経験から何かを学んだ人
サークルの会長だった、ゼミの幹事だった、アルバイトのリーダーだった。 はたまた海外留学経験、研究室で特許を取得した等、学生時代に輝かしい功績のある人は、堂々と学生生活についてESにも書けるし、面接でも語れる。しかし、多くの学生は「自分は特にこれといった経験がないので、何を伝えればいいのかわからない」と悩んでいる。
気持ちはよくわかる。しかし、ここで冷静に考えてほしい。企業にとっては、「一緒に働きたい学生」を見つけるための採用活動だ。変わった経験をした人を探しているわけではない。重要なのは経験そのものではなく、経験を通じて何かを学んだきみ自身なのだ。このことを忘れてはならない。
となると、大事なのは経験ではなく、経験を通じた人物像、つまりきみが「どんな人なのか」を伝えることだということは言うまでもない。 そこで今回は、より採用担当者に響く「アピールの法則」を紹介したい。
アピールの法則:受動的な行動より、能動的な行動
みんながやってしまいがちな「残念なアピール」の一番は、受動的な行動になってしまっているものである。これは本当に多い。
具体的には、たくさんの本を読んだとか、音楽を聴いたといった「影響を受けた」体験のこと。それはもちろん尊い。だがそれよりも、楽器を演奏した、本を書いたという「能動的な行動」つまり「影響を与えてきた」経験のほうが評価は高いのである。
例えば単位を取るのが厳しい授業について、語るとしよう。単に「単位取得を頑張りました」では、その他大勢から抜け出すことは難しい。受け身的に勉強した(インプットした)話ではなく、どれだけ教授や他の学生に刺激を与えたのかという切り口で語るのだ。実際の自己PRの例を比較してみるとわかりやすいので、見てみよう。