つまり、経営学が実学として身につくような研修を行っています。

 ほとんどの受講生が、それまでまったく知らなかった、想像もしなかったような課題に取り組むことになります。正直なところ、かなり厳しい研修です。

 厳しいですが、研修をやり終えた受講生たちの多くは、その後、順調に大きな仕事を任される幹部人材に成長していきます。

経営幹部になれる人、なれない人

 これまでの20数年間の経験で、確実にわかったことがあります。

 それは、その会社の中枢を担うような経営幹部になれる人と、そうでない人を分ける何かが確かに存在するということです。

 では、経営幹部になれる人とそうでない人を分けるものは、一体何でしょうか?

 それは、先ほど述べたように「戦略策定力」と「戦略実行力」を持っているかどうかです。

 少し詳しく説明しましょう。「戦略策定力」とは、的確な問題意識を持ち、外部環境や経営資源を正しく認識し、真の戦略(後述しますが、世の中には戦略もどきが蔓延しています)にまとめることです。業績が低迷しているときに「さらなる拡販を目指そう」とか「コストダウンの徹底」など使い古したスローガンの連呼しかできないようでは、はっきり言ってリーダー失格です。

 もう一つの「戦略実行力」とは、戦略を現場に浸透させながら、併せて現場の主体性を引き出し活性化しながら業績目標を達成していく力のことです。戦略が策定されても現場は趣旨を理解せず、勝手に動いている企業も実に多いです。逆に戦略を一方的に押しつけすぎて現場がすっかり元気を失っている企業もあります。「戦略策定力」と「戦略実行力」と言っても、簡単に身につくものではないのです。25年間の経験から、この2つの能力を鍛えるのに最も効果的な方法を、これから紹介していきます。