「宗教やネットワークビジネスにハマりやすい人」のたった1つの特徴

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
今回は、本書の発売を記念し、特別インタビューを実施。「他人の価値観にコントロールされず、自分の頭で考える方法」について、ひろゆき氏に解説してもらった。(取材・構成/川代紗生、撮影/榊智朗)

「中途半端に勉強できる人」は洗脳されやすい

──「他人の価値観やバイアスにコントロールされず、自分の頭で物事を考えること」が、『99%はバイアス』のテーマの一つだったように思います。フラットに情報分析をするには、どうすればいいでしょうか。極端な思考に染まりやすい人・洗脳されやすい人にはどんな特徴があると思いますか?

ひろゆき:「中途半端に勉強できる人」は洗脳されやすいと思いますね。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉がありますが、僕は、それは半分ウソだと思っていて。

 本当に優秀な人は、どれだけ知識を聞かされても、自分の目でたしかめるまでは納得できないんですよ。勉強しかできない人って、「これはこういうことなんだよ」と聞かされると、「へ~そうなんだ」と素直に受け入れるんですけど、本当に優秀な人は、「やってみないとわからない!」と、好奇心をおさえられないんです。

「勉強だけできる」タイプの人は、「世の中には絶対的な答えがある」と信じがちなんですよね。答えがある世界で活躍し、認められてきた経験があるから、「本当かどうか確かめようがない」「正解か間違いかわからない」状態を受け入れられない。

 だから、中途半端に勉強ができる人ほど、「私はこうしたら成功できました」みたいな、「他人の歴史」から学ぼうとするんです。なまじ勉強ができるから、それっぽい証拠やデータを出されると、信じ込んでしまう。

「誰が言ったのか」で判断する人、
「何を言ったのか」で判断する人

──どうして、宗教、ネットワークビジネス、占いなどにハマってしまうのでしょうか。最初は「なんか怪しいな」と警戒するし、かかわらないようにしようとするじゃないですか。どういうメカニズムが働いているんだと思いますか?

ひろゆき:いい人だから、人を信じちゃうんじゃないですかね。僕は基本的に人を疑ってかかってるので、あんまり他人にダマされないんですけど(笑)。ダマされやすい人って、相手を知るときに、「この人の言うことを、まずは信じてみよう」という入り方をするんです。

──相手を知る前に「信じる」のジャッジをしてしまうんですね。同調圧力に影響されて判断してしまうところもあるのでしょうか。

ひろゆき:「周りがこの人はすごいと言っているし、誰も批判してないから、きっと正しいんだろう」みたいな感じで判断してしまう人は多い気がしますね。

 物事を判断するとき、「誰が言ったのか」で判断する人と、「何を言ったのか」で判断する人がいるんですよ。で、実は、「誰が言ったのか」で判断する人のほうが、割合としては多いと思うんですよね。

「宗教やネットワークビジネスにハマりやすい人」のたった1つの特徴

──たしかに。「この人が言うんだから正しいんだろう」みたいなバイアスなしで、フラットに判断するのって結構難しいかもしれないですね。

ひろゆき:さらに言うと、そういう「誰が言ったのか」で判断する人は、その意見を信じるか信じないかを、「聞いてる周りのリアクション」で決めてるんですよ。

 聞いてる聴衆の中に、僕みたいな「いやいや、そりゃ嘘でしょ!」って言い出す人がいると、「あれ、信じていいのかな」と急に不安になる。でも、全員が黙って「うんうん」って頷きながら聞いてると、「あ、この人の言ってることは正しいんだ」と思い込んでしまう。要は、真偽の判断が自分でできないんですよ。周りのリアクションで全部決めてるんです。

 あ、ちなみに、犬ってそうやって生きてるんですけど(笑)

──ひどい(笑)。

ひろゆき:まあ、社会生活をする動物は、基本的に、周りのリアクションでものを決めてしまうものなんです。

 周りに合わせて動かないと群れはつくれないし、周りに合わせられない個体は、群れから追い出されてしまう。だから、「周りに合わせなきゃ」というバイアスがあるのは当然のことで。

 むしろ、自分で判断しない個体が多いほうが、群れとしてはうまく回るんです。なので、人類にとっては、そういう同調圧力に影響されやすい人も、必要なんですよ。