株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、というサラリーマンでも再現性の高い超シンプルな投資法を紹介する。

【10倍株(テンバガー)連発!】<br />テンバガーハンターが実践する“驚きの超分散投資”イラスト:タラジロウ

業績と利回りのバランスを考えて買い集め

【前回】からの続き 一般的なサラリーマンである私が投資できる資金は手取り額からすると、多くても数十万円と限られていましたから、ファーストリテイリング(9983)や任天堂(7974)のような1単元の株価が高い「値がさ株」は投資の対象外です(この方針は、基本的にはいまも変わりありません)。

値がさ株とは、最低単元を買う場合でも投資金額が100万円を超えるような大金を投じる必要のある銘柄です。最低投資金額はファーストリテイリングで約850万円、任天堂で約600万円(2022年9月時点)となっており、日本の平均的なサラリーマン投資家には、なかなか手が出せません。

一方で、1単元でもお手頃な株価で買える優待株は数多くあり、いろいろと検索しているうちに、「あれも買いたい」「これもほしい」となり、業績と利回りのバランスを考えながら買い集めました。

保有銘柄800以上の超分散投資

株主優待も配当金も、株を売ったら株主としての権利を失いますから、売買の頻度を最小限にするべく、一度買った銘柄は売らずに長期保有する「ガチホ(ガチでホールドするの略称)」が、私の基本スタイルとなりました。

また、すでに保有している銘柄を買い増しするよりも、新たに興味を持ったインカムゲイン狙いの銘柄を買い続けた結果、“超”がつくほどの分散投資となり、いまでは800銘柄ほど保有しています(800のうち、約8割は100株だけ保有している銘柄です)。

優待狙いで1株だけ買った“カラオケ株”

個別株投資をはじめて間もない2008年8月、株主優待狙いで購入した銘柄の1つに、コシダカホールディングス(2157、以下コシダカ)がありました。優待利回りのよい銘柄を検索していたら、5%以上だったコシダカがたまたま引っかかったのです。

コシダカは「カラオケまねきねこ」というカラオケチェーンを経営しており、100株の保有で、グループ店鋪で使える5000円相当の株主優待券がもらえました(2022年9月時点100株では、3年未満の保有株主で2000円相当、3年以上の保有株主で4000円相当になっているようです)。

当時の私は、カラオケが好きだったわけではなく、それまでカラオケ店には数えるほどしか行ったことがありませんでした(いまでは株主優待も使いながら定期的に通って熱唱しています)。しかし、親族にカラオケ好きがいたため、優待券があれば喜んでくれるかなと思い、1株9万円ほどだったことから、まずは1株だけ買いました(2008年当時は1単元1株の銘柄がいくつかありましたが、現在は全銘柄1単元100株に統一されました)。

いきなり「ストップ安」に!

その頃、私は駆け出しの投資家ですから、「権利落ち日」を境に株価が下落しやすいことなど知りませんでした。コシダカも、株主優待の権利をゲットするために、「権利付最終売買日(権利日)までに1単元(当時は1単元=1株9万円)買えればいいな」と漠然と思っていただけ。

優待利回りのよい銘柄では、権利日に向かって株価が上がる傾向があることも頭になかったのです。そして権利日の翌営業日、権利落ち日を迎えると、コシダカの株価は、いきなりストップ安となりました(この頃は「ストップ安」「ストップ高」「値幅制限」といった基本的な投資用語すら知りませんでした)。

権利日に優待株を買うべからず

権利落ち日に保有株を売っても、株主優待や配当金の権利は得られますから、権利日に向けて上がった株価で売り抜けようとする個人投資家が増えます。

優待株では権利落ち日に株価が下落しやすいのは常識なのですが(いまでは権利日に買ったり、権利落ち日のストップ安を拾いに行ったりという暴挙には出ませんが)、当時はそんなことも知らず、2日連続のストップ安でそれぞれ1単元ずつ買い増したため、投資をはじめて数日で投資額に対して大きな含み損を抱えてしまったのです。

いま思うと、我ながら株初心者にも程がありますね。このときの学びは「権利日に優待株を買うべからず」ということでした(苦笑)。

※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。