50歳からはマインドセットを変えよう

 50歳前後の方々は、新社会人になった30年前と同じく、今も過渡期にいます。

 それより上の世代は、「前と同じように」「偉い人の言う通りに」することで出世できた世代です。そうして順調に出世した人々は今、政界や学界や企業の上層で、既得権益にしがみついています。50歳前後は、その流れを変えられる世代です。さらに言えば、変えなければ大変なことになります。人口のボリュームゾーンをなしている50歳前後が、そろって前頭葉を衰えさせていくとなると、日本の未来が危うくなると言っても過言ではありません。

 国の将来のみならず、個々人の人生の充実度も損なわれます。

 前頭葉が衰えても幸福度は損なわれないと先ほど述べましたが、度を超した「楽」は「退屈」になります。

 日本人の寿命は昔より大幅に延び、定年後の人生が20年、30年と続くことも珍しくなくなりました。その30年が「退屈」に塗りつぶされるとしたら、かなり苦痛な後半生です。老化が進んで認知症に突入すれば、さらに楽しむことが困難になるかもしれません。

 そんな老年期を迎えたくないなら、今がチャンスです。50歳前後のうちに、生き方を変えましょう。つまり、前頭葉を働かせる人生に切り替えるのです。