1つめは、「沈黙を何とかしなきゃ!」と行動する人。
 子どもの頃、親が不機嫌だったり、家庭内の空気を変えようと努力してきたりした人に多い傾向です。
 場をなごませようとしたり、明るく振る舞ったり、笑わせようとしたり、「実際に何かしら行動してきた人」に多く見られます。その行動が実際にうまくいったかどうかは、関係ありません。何かしようと「動いたかどうか」が重要です。

 子どもの頃に「何とかしなきゃ」と思ってきたので、他人にも同じような気持ちを抱き、沈黙になると焦りや不安が出やすいのです。

 2つめは、「沈黙を何とかしなきゃ!」と思いつつ、どうしていいか分からずグルグル考え続けてまう人。
 1つめ同様に親が不機嫌だったり、家庭内の空気がピリピリしていたりした人に多い傾向です。1つめとの違いは、何か行動して空気を変えようとするのではなく、「何もしないこと」で家族に迷惑をかけないように努力してきたということ。
 子どもの頃から行動するのが苦手な人もいれば、頑張って行動したのに余計に怒られ傷ついた経験から「行動しない」を選ぶようになる人もいます。

 親が怒った時を例に挙げるなら、「機嫌を取ろうとするのが1つめのタイプ」、「これ以上怒られないようおとなしくするのが2つめのタイプ」というイメージです。

 3つめは、「あー沈黙が苦手なんだな」と分かるだけで、特に何も思わないし、何も行動しない人。
 沈黙の状態が平気で、さらには「自分が何かしなきゃ」というプレッシャーも感じません。このタイプの人は、人間関係においてストレスを感じにくいです。

捨てるべき「無意味なマイルール」

 どのタイプが良い・悪いということを言いたいのではありません。
「家庭環境が悪い!」「あなたの悩みは家庭環境のせいだ!」と言いたいのでもありませんよ。
 どのような家庭環境で育ったとしても、子どもは影響を受けます。それが良いものだとしても、悪いものだとしても。
 さらには家庭環境の影響だけで決まるのではなく、「その子が生まれ持った性質」も関係しますから。

 あなたが今抱えている「楽しませなきゃ」「沈黙を何とかしなきゃ」という思いは過去の親子関係がつくりだしたもので、「大人になった今はもう必要ない」のかもしれないということに気がついてほしかったのです。

 そもそも相手を楽しませなきゃいけない、沈黙を何とかしなきゃいけないなんてルールはありません。

「私といてもおもしろくないよね」と思ってしまうのは、今目の前にいる人のせいではなくて「過去の出来事」のせいではありませんか?
「沈黙=ダメ」「沈黙=良くない」と思わせる、過去の何かがあなたを不安にさせている可能性はないでしょうか?

 山に行くのと海に行くのとで「必要な準備」が違うように、何が原因で「不安を感じているのか」を知ることはとても重要です。