おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。
こわくない資産運用もある!
「資産運用を始めてみよう!」というと「少しくらい勉強してからじゃないと、失敗しちゃいそうでコワイ」という答えが多く返ってきます。
その気持ち、よくわかります。
実は私も、以前はそう考えていました。
友人が「株の売買で儲けた」という話を聞くと「あ~私もやってみたい。でも、ちゃんと理解してから始めないと、やっぱりコワイ」となかなか始めることができませんでした。でも、よっぽどのきっかけがないと「資産運用の勉強」なんて始められないもの。
特に、仕事やプライベートが忙しく、とりたてて今、お金の不安もない独身者であればなおさら。資産運用なんてしなくても働いていれば何とかなるからいいやと、稼いだお金は、普通預金に入れっぱなし、という方は多いのではないでしょうか。
「普通預金」に入れっぱなしリスクがある
でも、普通預金に入れておけば安心かというと、決してそんなことはありません。
今の普通預金には利息はほとんどつきません。100万円入れていても、年間利息は10円程度。でもお金を下ろすのには、数百円の手数料がかかることもあります。
それだけでも、損をしているわけですが、それだけではありません。
普通預金もインフレがおこれば実際の価値は下がります。インフレとはモノの値段が上がって、お金の価値が下がること。今まさに物価高で実感している人も多いのではないでしょうか。国は年2%のインフレ(経済成長)を目標にしています。年2%のインフレが起こるとどうなるかというと、100円で買えていたものが、来年は102円になるということ。
仮に年2%のインフレが10年続くと今の100円は、約82円の価値になってしまいます。10年間で約2割価値が下がるということ。資産を普通預金だけにしておくということは、こういったリスクがあるのです。
逆にもし、100円を、年利2%で運用できたとしたら、10年後には、122円になります。82円と比べれば約1.5倍です。
もちろん、資産運用には、勉強が必要なハイリスクなものもありますが、リスクを低く抑えながら運用する方法もあります。
本書では、お金の勉強をしている余裕がない忙しい独身者でも、すぐに実践できる資産運用の方法をお伝えしたいと思います。
*本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。