◇腸内環境を整える方法(1)「水溶性食物繊維」を取り入れる
腸内環境を整えるには、短鎖脂肪酸を作る善玉菌を増やすことが大切だ。必要な量の善玉菌が腸の中にいて、元気にエサを食べ、代謝産物を出してくれていれば、お腹の調子が悪くなったり、太り過ぎたり、重い病気に悩まされたりする可能性は減るだろう。
善玉菌を増やすには、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維を意識的に摂るのが効果的だ。「ヨーグルトを食べているから大丈夫」と思う人もいるかもしれない。だが実は、ヨーグルトや発酵食品に含まれる善玉菌の多くは、大腸に届く前に死んでしまう。
一方、水溶性食物繊維は、きちんと大腸に届き、善玉菌のエサになる。しかも、さまざまな善玉菌たちのエサになるので、腸活として非常に効率がいいのだ。
◇腸内環境を整える方法(2)ぜん動運動を促す
日本人の腸活からは、ある大事な要素がすっぽり抜け落ちている。それは「ぜん動運動」だ。食に加え、腸のぜん動運動を促すことにフォーカスしなければ、腸内環境は改善しないと言っても過言ではない。
腸のぜん動運動は、食べ物を分解・消化・吸収し、便を作って不要物を排出するために欠かせない動きである。ぜん動運動が止まると、消化吸収も排便もうまくできなくなる。慢性便秘に悩む人は、たいてい大腸のぜん動運動が弱くなっている。
◆腸と免疫機能
◇免疫細胞の7割は腸に集まっている
小腸と大腸には、全身の免疫細胞のおよそ70%が集まっている。免疫細胞とは、外部から体の中に入ってきた異物、毒素、病原体などを排除してくれる、警察官やガードマンのような存在だ。腸内環境をよくすることは、免疫機能を高め、体を守ることにもなるのだ。
◇ぜん動運動が弱ければ、免疫力も低くなる
腸のぜん動運動は免疫においても重要だ。ぜん動運動が活発になると、腸壁から「ムチン」という粘液が分泌される。ムチンは、排便をスムーズにしたり、善玉菌のエサになってくれたりするため、腸内環境の改善につながる。