社員に、ボーナスを減額した理由をどう伝えるか
D社労士の話を聞いたC総務部長は、うなずきながら言った。
「A君には明日、ボーナスを減額した理由を説明します。でも、どう話せばいいのか教えてください」
(1)無断欠勤や遅刻に対して管理課長が再三注意、指導を受けていたのにもかかわらず無視する態度を取っていたことは、就業規則による業務命令違反であり、社内の秩序を乱す行為であること
(2)無断欠勤や遅刻をしたことにより、業務に穴をあけ取引先に迷惑をかけたことは、会社に対する信用失墜につながること
(3)無断欠勤や遅刻に対して賞与額を減額することは、過去にも事例があり、Aにだけ特別に行ったものではないこと
D社労士のアドバイスを受けたC総務部長は、翌日Aを呼び、賞与を減額した理由を説明した。Aは納得し、これから無断欠勤や遅刻はしませんと言い、頭を下げた。
また、甲社長と相談し、従業員の規律を正すために無断で欠勤や遅刻などをした場合には、賞与を減給することと、減額方法を就業規則に明記し、来年1月の全体朝礼で全社員に周知することにした。
Aは12月上旬、クレジットで最新型のPCとスマホ、ゲーミングチェアを購入、ボーナスを支払いに充てる予定だった。しかしボーナス額より支払い額が多く金欠状態になりそうだ。困ったAは、Bに相談した。
「クレジット代を稼ぎたいから、どこかいいバイト先教えてくれよ」
「会社はバイト禁止だから無理。それより、ゲームでポイントを稼いで換金できるサイトを教えてあげるよ。俺もスマホでやってるよ」
その日の夜、AはBに教えてもらった複数のサイトに登録。徹夜でポイ活に励むのであった。
※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため社名や個人名は全て仮名とし、一部に脚色を施しています。