Photo by Masato Kato
旅行・観光業界のオピニオンリーダーである星野リゾートの星野佳路代表。現在実施されている政府の全国旅行支援は新規需要に繋がらず効果が薄いと断言する。23年も同支援は継続するが、業界にとって今本当に必要な支援は何か。特集『総予測2023』の本稿では、業界復活に必要な「2つの支援策」を挙げた。（聞き手／ダイヤモンド編集部 山本興陽）
「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。
海外から国内シフト、宿泊単価アップ中
全国旅行支援は「新規需要に繋がらない」
――コロナ禍が出口に向かう中、旅行需要が徐々に戻っています。
2022年の急激な円安もあり、海外旅行の戻りは遅いです。しかし、これまで海外旅行をしていた方々が国内旅行をしているとみられ、われわれへの需要が高まっている。宿泊単価もアップしています。
――政府の「全国旅行支援」が始まり、23年も実施されます。
われわれの宿泊予約データの分析では、全国旅行支援は新規需要の創出にはあまりつながっていません。
星野代表は、政府による全国旅行支援の効果が薄いと断じている。次ページではその理由を解説するとともに、旅行・観光業界復活の鍵を握る「2つの支援策」を挙げてもらった。
