NHK『あさイチ』12月12日放送に精神科医Tomy先生が出演し、これまで覆面を貫いてきた気になる素顔を初公開。番組では「嫉妬」をテーマに、「M-1グランプリ2022」優勝のお笑い芸人・ウエストランド井口さんのお悩みに優しく答えた。
誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、最新刊の感動小説
『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。この本は、大反響を得た衝撃の“1秒シリーズ”の第1弾『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』をベースに小説化。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉
とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の執着を手放すための優しい言葉を授けてくれるYouTube「精神科医Tomyの人生クリニック」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【「M-1グランプリ2022」優勝・ウエストランドとの対談で話題沸騰の精神科医】不快なマウンティング、攻撃的な言葉…面倒くさい人に隠された“意外な側面”

マウンティングする人の心理

悪気なくマウンティングをしてきたり、攻撃的な言動をしてくる人がいますよね。そういう人は、基本的に攻撃するというよりも、自分の心を守るためにやっているんです。

人間は、理想と現実に折り合いをつけながら生きているものですが、その折り合いのつけ方というのが、人によってはマウンティングだったり他人への攻撃だったりするケースがあるんです。これを専門的には「防衛機制」といいます。なんらかの困難に直面したとき、不安感やダメージを減らすため、無意識に働く心理的なメカニズムです。

マウンティングや攻撃的な言動をするというのは、相手を悪者にして、不平や不満、恨みなどを解消し、自分の気持ちをスッキリさせる行為ともいえます。そうやって理想と現実のギャップを埋めて、自分の心を守り、落ち着かせようとするんです。

とても未熟な自己防衛

誰しも理想と折り合わない現実に直面するものですが、そのときの対応には、とても未熟で子どもっぽいものから、よりスマートなものまで、いろいろとあります。そのなかでも、マウンティングしたり他人を攻撃したりする人は、とても未熟な部類なわけです。自分のために相手を不愉快にさせているわけですから、ある意味、子どものようにワガママなわけです。

もしアナタがそういう人に出あったら、大事なことは、まず離れるということです。根底には不安感や劣等感があるケースが多く、認めたくない独善的な理由がありますから、そういう人には、ごくあたり前のことであっても、言葉が届かないんです。

一方で、マウンティングされたり攻撃されたりするというのは、その人にとってアナタの優先度が低いことの表れでもあります。別のいい方をすると、アナタの存在を軽んじているわけです。そんな人とかかわっていても、いいことはありませんから、いちばんいいのは距離をおくことなんですね。

心の器を広げるチャンスでもある

もっと大人の考え方もあります。そういう人と出あったとき、自分の心の器を広げるチャンスだと考えて、あえて対処してみるんです。「この人にも辛いことがあるんだろうな」みたいに他人の気持ちになって、想像力を広げる練習の機会にしてみるということです。

そうすると経験値が広がり、自分の器も広がって、同じような傾向の人に次に出あっても、「あ、こういう人っているよね」と対処しやすくなります。他人に対する分析力が高まると、人間の器が広がってくるんですね。参考にしてみてください。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。