ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ブルキナファソってどんな国?」2分で学ぶ国際社会アフリカ西部

ブルキナファソってどんな国?

 ブルキナファソはアフリカ大陸西部に位置し、マリ、コートジボワールガーナトーゴベナンニジェールに囲まれた国です。

 内陸国ですが、起伏は少なく、標高も多くの地域で300m以下です。ヴォルタ川の支流がいくつか流れており、独立した時の国名は、それにちなんだ「オートヴォルタ」(フランス語でヴォルタ川の上流という意味)でした。1983年のクーデターで成立した政府が、現地のことばで「高潔なる人々の国」という意味の現国名に改称しました。

日本が輸入するごまの約3分の1はブルキナファソ産

 農業が中心で、綿花が多く生産・輸出されています。

 このほか、ゴマの生産が盛んで、その生産量は世界の上位10位に入ります。この国から日本への輸出品のほぼ99%をゴマが占めています。また、日本に輸入されるごまの約3分の1がこの国からの輸入です。日本はその生産のために技術協力を行っています。

 輸出で最も重要なものは金で、この国の経済を支えています。しかし、それを採掘する労働力の3分の1が児童であるといわれ、問題になっています。国内でよい仕事がないので、隣国のコートジボワールなどに出稼ぎに行く人が多くいます。

 ガーナ国境に近いティエベレには、幾何学模様の特徴的な住居が見られます。その入口は、高さがわずか60cm。これは猛獣よけのためです。

「ブルキナファソってどんな国?」2分で学ぶ国際社会ティエベレ Photo: Adobe Stock

ブルキナファソ

面積:27.4万km2 首都:ワガドゥグー
人口:2138.3万 通貨:CFAフラン
言語:フランス語(公用語)、モシ語などの民族語
宗教:イスラーム63.2%、カトリック24.6%
隣接:マリ、コートジボワールガーナトーゴベナンニジェール

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)