いよいよ年末。1年お疲れさまでした。2022年はどんな1年だっただろうか。「上司に悩まされた」「部下に悩まされた」「同僚やクライアントに苦しめられた」、それぞれいろいろあっただろう。ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するもの。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
「すぐやる人」が結局強い
糸井重里さんから仕事の依頼を受けたときのこと。
『ほぼ日刊イトイ新聞(通称ほぼ日)』は糸井さんが1998年に立ち上げて以降、絶大な人気をほこるウェブメディアで、最近は動画コンテンツにも力を入れている。
僕にもそのジャンルでオファーをくれて、「この時期に収録したい」というメールをもらった。
ただ、その期間は翌月にならないと予定が見えなかったので、急ぎその旨を返信して待っていただいた。
翌月、僕が固まった予定をメールで送ると、
「こちらからの連絡の前に佐久間さんからメールをもらってびっくりした。こんなことは初めてです」
と言われた。
僕はただ、当たり前のタスクをこなしただけだったから、こちらこそびっくりしたが、ほぼ日さんのようにいろいろな方とやりとりされている会社の方がそうおっしゃるのだから、たったそれだけのことをしない人がいかに多いかということだろう。
神様は「すぐやる人」に味方する
仕事というのは返事にかぎらず、どんなときも先のばしせず「すぐやる」ことで大きく差がつく。
これは断るときも同様だ。
断られたら、だれだってがっかりする。
だからこそ、スピード感を持った対応で印象はがらりと変わる。
タイミングを見て「もう一度頼みたい」と思われるか、「二度と連絡してやるもんか」と思われるか。
すべては「すぐやるかどうか」で決まると言ってもいい。
仕事は全部、縁からはじまる
仕事はすべて「縁」からはじまる。
たとえそのときはご一緒できなくても、この先なにがあるかはわからない。
だから、自ら縁を切らないコミュニケーションを心がけるべきだと思っている。
依頼を受ける立場の人が「どうせ断るから」とメールの返信すらしなかったり、忘れたころに返す人がいたりするけれど、それはとても不親切な行動だ。
相手はちゃんと読んでくれているのかと不安になるし、断られたら断られたで、次の人に依頼する準備を進めないといけない。
相手の立場を想像したら、とにかくすぐ決断して動いたほうがいいに決まっている。
できるかぎりの想像力を持って、誠意を持って対応するのだ。
「態度を変えない人」に運はくる
僕は相手がほぼ日さんでも学生新聞であっても、対応はまったく変えない。
スピード感を大切に、断る場合も無視したことは一度もない。
「今回は残念だったけれど、また次も声をかけたい」。
そう思ってもらえる人が、結局、すべてを手に入れる。
※本書には、この他、多くの仕事術が収録されています