目薬で有名な参天製薬も
「目の問題」に挑む

 参天製薬は経営の重要課題のひとつとして、視覚障がい者と健常者が共生する社会の実現を掲げている。同社は20年に日本ブラインドサッカー協会、インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーションと2030年までのパートナーシップ契約を締結した。社会課題は一朝一夕には解決しない。10年間の長期契約というサステナブルな姿勢に、同社の本気度がうかがえる。

 ただ、参天製薬、日本ブラインドサッカー協会、インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーションが強力なタッグを組んだとしても、視覚障がい者に関わるすべての問題を解決するのは困難だろう。課題解決に賛同する仲間を増やしたり、応援したりすることも必要だ。視覚障がい者をサポートするIT企業を3者で支援し、それを外部に発信していく――この問いに対するひとつの回答である。

 厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査結果」によると、聴覚・言語障がい、肢体不自由などの他の障がい者に比べ、視覚障がい者の雇用率が一番低くなっている。

 参天製薬の従業員には視覚障がい者が5人おり、うち2人はアドバイザリーボードの一員として働いている。

 参天製薬といえば、目薬を思い浮かべる人が多いだろう。だが、それだけではない。目薬の会社から「目の問題を解決する企業」へ――同社は歩みを進めている。