開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

塾や習い事で忙しい子の自己肯定感を守るために、親が気をつけたい2つのことPhoto: Adobe Stock

塾への行き帰りは子どもの自由時間

 塾に通う子どもたちの中には、友だちと会えることをとても楽しみにしている子がいます。

 それが目的で通っていると思える子どもも多いのです。だから、行き帰りまで親がコントロールしようとせず、子どもの自由にさせてあげましょう

 行き帰りの道では、子ども同士おしゃべりをして、勉強以外のいろいろなことを学んでいます。友だちの志望校を聞いて自分もその学校に興味を抱いたり、読んでいる本をマネして読んだりすることもよくあります。

 とくに、大人に囲まれて育っているひとりっ子にとって、同年代の友だちと過ごす時間は貴重です。子ども同士の会話や触れ合いから、勉強以外にもたくさん学ぶことができます。その時間を大事にしてあげましょう。

 もちろん、子どもが望んだのなら送り迎えもOKです。その子の特性に合わせて、親は柔軟に対応していきましょう。

1日の終わりには「できる問題」をやる

 学校からはたくさんの宿題やプリントが出され、塾や習い事でもテストばかりと、今の子どもたちが置かれた環境は過酷です。しかも、その結果はいいものばかりではなく、自信を失うこともたびたびです。

 このような日々を重ねていけば、子どものメンタルはかなりやられてしまいます。

 1日の終わりにつらい気持ちをリセットし、自己肯定感を育む時間を持たせましょう。

 具体的には、寝る前の15~20分程度、子どもが得意な問題を解かせて気分よく寝床に入ってもらうのです。算数の計算でも国語の漢字でもなんでもいいですが、ポイントは「できること」

 最悪なのは、できない問題をやらせ、できないことを親が叱って、子どもが疲れ果てて眠りにつくケースです。

 ゴキゲンな気分で眠らせて、次の日の朝を気持ちよく迎えさせてあげましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)