開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
子どもの学力格差が拡大している
コロナ禍は、子どもたちの学びに大きな影響を与えました。VAMOSのような学習塾もさまざまな変革を迫られましたが、さらに義務教育の現場は大混乱に陥りました。
その結果、子どもたちの学力に大きな格差が生じてしまっています。とくに、小学校低学年で顕著です。
小学校では、そもそも授業自体が普段どおりにできないことに加え、先生たちがコロナ対応に追われて以前にもまして忙しくなり、子どもたちに丁寧に教える時間が減りました。
そのため、低学年で学ばなければならない、算数の計算など基本的な学習のペースが全体的に遅れています。
コロナ感染を恐れて塾に行くことも控えた子の場合、なおさら、そうした傾向が強くなります。
従来以上に、家庭学習の重要性が高まっているのです。
それでも、兄や姉がいた場合、親はそのときの経験と比較して「この子の学びが遅れている」ということに気づけます。
しかし、比較対象がないひとりっ子の場合、油断していると基礎力が落ちたままで放置されてしまうことになります。
計算や漢字、基礎学習を家庭でどんどん進めましょう
一方で、どんどん基礎学習を進め、ほかの子たちをリードするひとりっ子も多くいます。
というのも、在宅勤務が増えた親が、これまで通勤に費やしていた時間を使って子どもの勉強を見てあげられるようになったからです。
ある子どもは、両親共に在宅勤務となり、朝の1時間を母親が、夕方の1時間を父親が見ることで、みっちり基礎学習を積むことができました。
こうしたケースでは、親を独り占めできるひとりっ子は有利です。
このように、親の関わり方次第で、伸び方が大きく変わってくるのがひとりっ子です。子どもたちの学力に格差が生じているという現実にいち早く気づき、親が動くことが求められています。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)