でも、コミュニケーションの不一致を改善することは可能です。その方法が「脳内チューニング」です。

 脳内チューニングとは、お互いの脳の中にあるゴールとイメージを共有する作業のこと。

 やり方のポイントは3つです。

ポイント(1) 相手とのゴールを共有する。
ポイント(2) 「質問」でチューニングする。
ポイント(3) お互いの頭の中を見える化させながら進めていく。

 脳内チューニングをするときの最初のポイントは、相手とのゴールを共有することです。

 このゴールの共有がないままだと、いつまでたっても「伝わる」「理解しあう」に行きつきません。

 2つめのポイントは「質問」です。楽器のチューニングは音を鳴らしながら行いますが、コミュニケーションのチューニングは「質問」で行っていきます。目的は相手の「脳の中のイメージ」を探ることです。

 知り合いの美容師さんから聞いた話があります。

 髪を切るときに気をつけないといけないことがあるそうです。それは、「お客さんが持っているイメージと自分が思っているイメージが違う」ということを認識すること。

 たとえば、「3センチくらい切ってください」とお客さんに頼まれたとしても、そこで1回考えるそうです。

 髪質やうなじの長さなど、人それぞれで、お客さん自身も自分の特徴をわかっていない人が多い。そこでお互いのイメージの確認を行っているそうです。これこそ脳内チューニングです。

 雑誌の髪型カタログを見せたり、お客さんの髪の特徴を伝えたりして、お客さんが持つイメージを質問しながら見える化していく。美容師さんは数多くのデータを持っているので、過去の失敗事例なども伝えながら、お互いの脳内でできるだけ近いイメージになるように調整していくわけです。

 言葉だけでは伝わりにくいときは図や写真などのビジュアルも使いながらイメージを合わせていく。

 脳内チューニングのポイントのひとつです。