このように、株主優待目当てで株式投資をするのも楽しいものですが、注意してほしいこともあります。それは、株には値下がりリスクがあるということです。
株価が下がれば、優待でトクしても、値下がり分を考えたら結局ソンだった……ということもあります。

 特に、「権利確定日」という、この日までに株主になっておかないと株主優待を受けられないという期日が近くなると、株主優待目当てに株を買う人が増えて、株価が上昇する傾向もありますから注意が必要です。

株主優待狙いでも立派な「投資」。投資家として株価もきちんと見ておきましょう。

インフレでもソンをしない債券もある

 基本的に、債券はデフレ下によく、インフレ時には向かないと言われます。低い金利のときに買った債券は、金利が上昇すると、売れにくくなります。それは、これからもっと金利の高い債券が出るというときに、低い金利の債券をわざわざ買おうという人はあまりいないからです。
 だから、売ろうと思うと、低い価格でしか売れません。

 経済が上向きになり、「デフレ脱却」と叫ばれているなか、債券投資は将来的に不利になってしまう可能性があるわけです。
 ただし、インフレになっても損をしない債券もあります。それは変動金利型の10年物の個人向け国債です。

 個人向け国債とは、国が発行する個人限定商品です。つまり金融機関は購入することができない個人だけが買える商品なのです。

 個人向け国債には変動10年、固定5年、固定3年と3種類があります。
 変動金利型の場合、金利は半年ごとに見直されます。金利は「基準金利×0.66」で決まりますが、最低金利保障として0.05%が設定されています。

 個人向け国債が非常に有利なところは、発行から1年経過すれば国が額面金額で買い取ってくれるということです(直前2回分の利子相当額が差し引かれます)。

 一方、金融機関が売買している国債には額面保障はありません。固定金利で、価格も変動します。

変動金利の上に、1年を経過すれば(直前2回分の利子相当額を取られるとはいえ)いつでも額面で買取ってくれる。
 個人向け国債は、少し地味ですが、検討に値する商品だと思います。