米IT大手の大量解雇は
日本人の大リストラに繋がりかねない

 実はアメリカのIT大手でリストラされる人たちは、大組織の中でこういったDX用のプロダクトを作り上げてきたエンジニアたちです。プロジェクトが完成すると人員としては不要になり、会社を去っていく。それが冒頭でお話しした社会現象です。

 彼らのおかげで、これまでもこれからもどんどんDXに使えるプロダクトが数多く公開され、わたしたちの仕事は次々と生産性が上がっていきます。そうなるとこの先、実はわたしたちの職場では、今いる従業員の人数分のホワイトカラーの仕事の半分くらいは必要なくなるのかもしれません。

 名もなき仕事はこれからも次々と消滅していきます。どの会社も生産性が上がり、どの会社でも、今いるだけの人員は必要ではなくなるからです。

 そして冒頭に挙げたリストラされるITエンジニアたちは新しい職場でまた別のプロジェクトの担当者として就職し、わたしたちの業務をなくす仕事に着手します。

 だとすれば、西海岸戦線には異状はなくても、世界のホワイトカラーには異状が忍び寄ってきていることになります。リストラの危機に直面しているのはアメリカのITエンジニアではなく、わたしたちなのかもしれません。怖い怖い。