
世界で最も存在感のある戦略コンサルティング会社「ビッグ3」の一角である米ボストン コンサルティング グループ(BCG)。超一流の人材と顧客を抱えるBCGのトップはグローバル経済や企業を取り巻く環境、コンサルビジネスの未来をどう展望しているのか。約37年にわたってBCGに勤め、2013~21年にはCEO(最高経営責任者)として同社の躍進に貢献したリッチ・レッサー会長のインタビューを3回にわたってお届けする。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、インタビューの中編として、コンサルバブル終焉論への見解やAIで激変するコンサルビジネスの未来や日本市場の見通しについて語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
AIはコンサルビジネスを大きく変える
付加価値の高いタスクに時間を割ける
――AIはコンサルティングビジネスも代替すると言われています。コンサルティング業界の環境と現状、そしてその将来をどのように見ていますか。
AIはコンサルタントの人間が担う仕事を変えるかという点では、非常にエキサイティングな方法で大きく変えると考えます。コンサルタントの実務には、インタビューのメモを作成して知見をまとめたり、顧客にアンケート調査を実施したり、ある種のスプレッドシートを作成したりすることがあります。AIがそうした仕事を変えるでしょう。
AIが導入されれば、チームは付加価値の高いタスクに時間を割くことができるようになります。問題について考える時間や顧客と関わる時間を増やし、手間のかかる作業に費やす時間を削減できます。ただし、これは簡単に自動化できる作業についてです。
AIによってコンサルビジネスはどう変わるのか。コンサル業界は今後も成長を続けることができるのか。次ページでは、コンサルビジネスの未来や日本市場について、リッチ・レッサー会長に語ってもらった。