「低負荷の有酸素運動(ローインパクト カーディオ)」とは何か?

 まず、有酸素運動をひと言で表すとすれば、「長時間かけて心拍数を上げながら行うエクササイズ」ということになります。エアロビックトレーニングなどもその仲間です。

「低負荷の有酸素運動の特徴は、関節を傷めることなく心拍数を高められるエクササイズのカテゴリーに属します」と説明してくれたのは、『AIMアスレチック(カナダ、ブリティッシュコロンビアのラングリーという街を拠点とするスポーツジム)』のヘッドコーチ兼オーナーのジェイク・ハルコフ氏(C.S.C.S.)です。「高負荷の有酸素運動とは異なり、“身体に過度な負担をかけない方法”です」と、ハルコフ氏は強調します。

(例)高負荷/低負荷の有酸素運動の違い

「例えば両足が、ずっとペダルや地面に接している状態であれば衝撃は最小化され影響は少ない…」、とハルコフ氏。彼はこれを、“低負荷”としています。こうした視点から比較すれば、足を地面もしくはペダルから離して行う場合は衝撃の強いエクササイズということになるわけです。なので、例えば水泳や自転車、ボートなどは衝撃の小さなアクティビティとみなされます。

 その一方で、連続して行うと心拍数が高まる「プライオメトリックジャンプ(足首だけを使って高く跳ぶ)」、ランニングや両手両足を開く/閉じるを交互に繰り返す筋トレ「ジャンピングジャック」などは、衝撃の強いアクティビティとなるわけです。

低負荷の筋トレ効果と誤解

 明確にしておきたいのは、衝撃が小さいことと強度が低いことは必ずしも一致しないという点です。「衝撃」とは関節にかかる負荷(ストレス)のことであり、「強度」とはそのトレーニング/エクササイズの難易度に関係します。「高強度のエクササイズは会話をしながらこなすことは難しいですが、低強度のエクササイズであれば会話をしながらでも続けられるでしょう」と補足するのは、ポッドキャストの人気チャンネル「オール・アバウト・フィットネス・ポッドキャスト」のホストを務める運動生理学者ピート・マッコール氏(M.S., C.S.C.S., C.P.T.)です。

 誤解されがちですが、トレーニング種目の中には低負荷でありながらも高強度なエクササイズも存在します。例えば、(スピンバイクやエアロバイクとは少し異なり、上半身も一緒に鍛えることができるマシンでペダルと前方のレバーが連動している)アサルトバイクをAmazonで確認、スキーをするように引く動きにより筋力と持久力を高める種目「スキーエルゴ」(下記解説)、そしてローイングマシンを使用した「スプリント」などがそれに該当します。これらのハードなトレーニング種目を「低強度」と言う人などいないでしょう。