低負荷の有酸素運動をするメリットは?

 心臓血管系の強化を見据えたトレーニング、つまり脈拍数を上げて行う有酸素運動などのトレーニングは、健康維持に大きく寄与するものです。

「心臓は筋肉でできた器官です。長時間にわたって心拍数を引き上げるトレーニングは、栄養と酸素とが豊富に含まれた血液を全身に送り出す心臓の機能を効果的に鍛えてくれるのです」と、マッコール氏は言います。

有酸素運動の健康効果とメリット

「心臓血管系のトレーニングの効果・メリットとして、心血管疾患のリスク軽減、血圧の最適化、血中コレステロール値の改善、血糖値の適正化など、さまざまな効果を期待できる」と、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)も発表しています。さらには、「有酸素運動を習慣化することで勃起機能が改善し、性欲を高める効果さえある」とも言います。

「この種の運動習慣は、健康寿命の維持にもつながる」という、ハルコフ氏の意見も見過ごせません。「加齢とともに心拍数を上げて行くような活動を生活に取り入れることで、自立した生活をより長く送ることを可能にするでしょう」と、ハルコフ氏は言います。

低負荷の恩恵

「特に関節の怪我や関節炎、慢性的な関節痛などを抱える人たちにとっては、身体をそれ以上のリスクにさらすことなく有酸素運動の大きな恩恵を得ることができるのが、この低負荷の有酸素運動の利点であるのです」、というのがハルコフ氏の考えです。また「現状において健康で、身体に問題を抱えていない人たちにとっても、低負荷の有酸素運動を高負荷の運動に優先させることで得られる恩恵は大きいでしょう」と、ハルコフ氏は続けます。

 つまるところ、「最高の有酸素運動とは、身体への負荷を最小限に抑えながら行う高強度のトレーニングであり、それを一貫して定期的に行い続けることができるものです」というのが、ハルコフ氏の結論になります。低負荷の有酸素運動であれば身体への負担も最小限に抑えられるので、生涯を通じて痛みを伴わずに健康な身体を維持したいという人には見事に合致するエクササイズとなるわけです。

「低負荷の有酸素運動」おすすめ7種目を解説

 有酸素運動と聞いて真先に思い浮かべるのは、公道など舗装路上での激しいジョギングやランニングではないでしょうか(これこそ衝撃の大きな高負荷な運動です)。「ランニング以外の有酸素運動などあるのか?」と、疑問を抱く人もいるかも知れません。その疑問に対する答えは、「いくらでもある」になります。