チームで行う振り返り

 踏み出すと、思ってもみなかったことが起きる。これは絶対に起きる。しかしポジティブに捉えれば、物事をさらに進めていくヒントが満載だったりする。これを活かせるか、目と耳を塞いでしまうかによって、今後の成長に大きな差が生まれる。きちんと振り返り、チームとしての気づきを得て、それを次の行動に活かして軌道修正を行ってこそ、個人としてもチームとしても成長していく。

 振り返りの種はたくさんある。このサイクルを回し、チームを成長させるのはリーダーの仕事だ。振り返りは、習慣化しよう。イベントをやったり、企画を進めたり、チームで「何かひと仕事」を完了したら、みんなで振り返る。

 具体的には、次のようなステップで、一人ひとり全員が述べていく。

1. 感想を述べる(楽しかった!とかでよい)
2. そこからの学びや気づきを考え、述べる(感想を一般化する)
3. 2に基づき、今後どうするかについて考え、述べる(未来につなげる)

 時間はかけなくてもいいので、何かあるたびに振り返る機会をつくる。もちろん、うまく言葉にできない人もいるが、それでも何か話してもらう。何度も言うようだが、言葉に出してもらうことが大事なのだ。

 そうすることで、個人が成長するとともに、チームの教訓が蓄積していく。その教訓をベースに、さらに踏み出していく。起きたことを糧にして、一般化していく。それをチームの力にしていくのだ。これができるチームは、勝ち続けることができる。

 また、メンバー一人ひとりには、テンションの上下がある。誰にでも調子がいいときと悪いときがあるだろう。

 一人だけで何かをやるときには、そのテンションの影響をもろに受ける。しかしチームでやれば、全体としてテンションの波を吸収して、バランスをとることだってできる。テンションが安定している状況のほうが、継続した成果につながりやすい。これは僕自身が感情やテンションの上下が激しかったので身をもってわかる。

 みんなで進めば、テンションの上下もマネジメントしやすい。

 会議で全体のモチベーションを上げながら、1on1ミーティングで個人のサポートをする。全体会議と1on1ミーティングを繰り返していくことで、一人ひとり、そしてチーム全体のテンションを、安定して高いレベルに持っていくイメージだ。