最後には
自分が変わることを決める

「リーダーシップやマネジメント力は、どうしたら身につきますか?」
「チームはどうやって盛り上げていったらいいですか?」

 と、よく聞かれる。これまでは、「そんな問いに対する答えはない」と話してきた。リーダーシップはまず、Lead the Self、自分をリードすることが何より大事だ、といつも話してきた。それは、やっぱり大前提だ。

 しかし、突き詰めていくと、分かれ道にさしかかる。

「このまま一人でやり続けたほうが早くて楽だから、自分ができる範囲で、自分だけでやればいい」という選択肢と、「今より大きな仕事をしたいからチームをつくって成長させていきたい」

 という選択肢。これは人それぞれの判断だ。

 しかし、「早く行きたいなら一人で行け、遠くに行きたいならみんなで行け」というアフリカのことわざのように、何か大きなことに取り組みたいなら、チームをつくって踏み出すほうがずっといい。

 そんな、「遠くに行ける」チームの共通点をまとめて一言で言い換えていくと、次のようになる。

■ リーダーは、メンバーを活かすのが仕事
■ そのために、フラットな場をつくる
■ そして、メンバーの想いや考えを聴く
■ 会議の場でもフラットに意見を出し合う
■ チームはゴールを共有しているからチームなのだ
■ そして、それは組織をまたがる場合も同じ
■ 踏み出し、続けることが大事

 これを見ていただければわかると思うが、リーダーとして、チームをつくっていくときに大事なのは、決してスキルではない。

 あなたのすべきことは簡単だ。

■ ヒエラルキーではなく、フラットであれ
■ 自分ではなく、メンバーを活かそう
■ そのために話を聴こう

 ほぼ、これだけだ。マインド、つまりスタンスの問題なのだ。

 まったく難しいことはないはずだ。なぜなら、時間をかけてスキルを身につけていく話ではなく、スタンスを決めればいいから。Just Do it.だ。