「隠れモンスター企業・部署」の見抜き方

 しかし、この方法は完璧とは言えません。都道府県労働局長に宛てた厚生労働省労働基準局長の文書では、「掲載時期及び掲載期間」が次のように記されています。

「公表日から概ね1年間とし、公表日から1年が経過し最初に到来する月末にホームページから削除するものとする」

 つまり、1年経てば求職者からは「過去に法令違反をしていたかどうか」がわからなくなるのです。

 公表日から1年以内であっても削除される可能性もあります。「送検事案が、ホームページに掲載を続ける必要性がなくなったと認められる場合」「局長指導事案が、是正及び改善が確認された場合」などです。

 このように、わかりやすいモンスター企業ばかりだけでなく、「大手優良企業のモンスター部署」も存在します。全体としてはいい職場ですが、「体調を崩す社員が続出する部署」が存在する部署などです

 そうした部署は、上司や顧客がとんでもないケースもあります。

 社員の気持ちや事情を無視して猛烈に働くことを求める管理戦や、お金を支払う立場を悪用して契約以上の内容を要求する顧客のせいで、社員が疲弊して退職が相次いでしまうのです。

 こうした「隠れモンスター企業」「隠れモンスター部署」を知るには、転職の口コミサイトを覗いてみましょう。SNSや検索サイトで「企業名 退職エントリ」と検索する方法もあります。

 真偽が不明な意見や会社への恨みつらみを綴った極端な意見もあるため、差し引いて見る必要はあります。それでも、「入社しなければよかった」という後悔を引き起こさないために、実際に働く社員の「飾られていない声」で身を守ってください。

 さらっと「残業が月100時間を超えていましたが、いい経験をさせてもらいましたー」と美談風の書き込みもあります。過労死ラインは80時間と定められていますし、人によって限界は異なります。

 SNSや退職エントリは、企業の検閲が入っていない個人の独白のため、隠れモンスター企業やモンスター部署を見抜く一つの指標になります。