自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

人間関係でやってしまう「論理的に正しい」NG<br />Photo: Adobe Stock

コミュニケーションでは負けてもいい

コミュニケーションは、全部勝たなくていい。これも大前提の一つです。

コミュニケーションにおける勝ち負けは「心の満足度」で決まります。

相手との会話に満足できたかどうかという、主観の問題です。

ディベート大会と違って勝ち負けを第三者が判断するわけではありません。

いくら論理的に正しくても「あなたの言っていることは非常に理にかなっているけれど、私は嫌だ」と言われてしまったら、目的は達成できないのです。

逆に相手を感情的に満足させられれば、「たくさん私の話を聞いてくれて、ありがとう。

伝えたいことは全部伝えられたから、あなたの提案を受け入れます」と目的を達成することも可能です。

一番よいのは5勝5敗に見える6勝4敗の状態です。

すべてのコミュニケーションで勝とうとすると、相手に負けをつけ不満を抱かせてしまうからです。

相手とよい関係を続けるためには「今日の勝ち負け」にこだわってはいけません。お互い同じくらい勝っている状態が理想です。

そのためには、自分からわざと負ける場面も必要になります。

「今日は負けてもいい」「今回はあえて負けておこう」と長期視点でコミュニケーションを捉えてみてください。

お互いに妥協して5勝5敗の引き分けにするのではなく、あくまであなたの目的が達成できるように6勝4敗で勝ち越すようにしましょう。

そのうえで、形としては「5勝5敗」にして相手に負けを感じさせないことがポイントになります。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)