ほめずに「あなたは認められている」と子どもに伝えるアイデア

 さて、どうすればほめなくても子どもと喜びを分かち合えるでしょうか。

(1)子どものしていることに興味を示しましょう
 子どもに意識を向け、子どもがしていることに興味を持っている姿を見せるのは、やる気を引き出すとてもよい方法です。子どもの活動や努力を尊重している気持ちを示しましょう。

 話すときはちゃんと目を合わせて、遊ぶときは一緒に床に座って、子どもの活動はしっかりと見守って、その内容について一緒に話しましょう。どれも、子どもを気にかけていると伝えるよい方法ですよ。

(2)あなたの素直な意見を伝えたり、質問したりしましょう
 たとえば、「ママ、見て見て、恐竜を描いたよ!」「ああ、ほんとうだ。緑の恐竜を描いたんだね。ここにある小さい赤いのはなあに? この恐竜、お名前はあるの? 見てるとワクワクしてくるね。あなたもそう?」というやりとりをしてみましょう。

 繰り返しますが、子どものしていることに、あなたが本当に興味を持っている気持ちを伝えましょう。

(3)「ありがとう」と言いましょう
 子どもが手伝ってくれたら、「ありがとう」と言いましょう。他人に何かをしてもらったときと同じです。子どもは小さくても立派な1人の人間で、大人同様に扱うべき存在であるのを忘れないでください。

「にんじんを切ってくれてありがとう。ママがやってほしかったとおり、とってもきれいに切れたね」と具体的に感謝を伝えてもいいですね。

 これは、「手伝いができておりこうだね!」と言うのとはまったく違います。本当に感謝していたら、態度を誤ることはないでしょう。

 食べ物を床にこぼさないよう注意したあとは、本当に感謝していたら「床にもう食べ物を落とさないでくれて、ありがとう」と言えばいいのです。

(4)大好きだと伝えましょう
 あなたが喜ぶことをしてくれたときだけでなく、いつでも大好きだと伝えましょう。いくら言っても言い過ぎにはなりませんから!

 ほめ言葉を使わなくても、「一緒に遊ぶの、大好きだよ」「一緒に本を読むのを待ちきれないな」とか、「一緒に過ごせて本当に楽しいよ」と何度でも心を込めて語りかければ、子どもをどれほど大切に思っているかは伝わります。

 厳しくするとき、子どもの行動に大きな問題があったときなどは特に、言葉やふれあい、話し方を通じて親の愛情を思い出させてあげましょう。

(5)ときには、何もしないで
 口を出さず、手も出さず、子どもが心ゆくまで満足できる場をあげましょう。新しい技術を身につけたり、課題がうまくできたりしたとき、満足させるためにほめる必要はありません。