朝マックの広告はどこに打つ?マーケター「西口一希」の思考法を伝授写真はイメージです Photo:PIXTA

マーケターとして、P&Gやロート製薬、ロクシタン、スマートニュースで多くの実績を残してきた西口一希氏。同氏が、ビジネスの現場で本当に使えるマーケティングの活用法を解説します。マーケティングでビジネスを「1→10」「10→1000」へと拡大するにはどうしたらいいのか。今回は「1→10」の段階で考えるべきことをお伝えします。本稿は、西口一希氏の著書『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)より、その一部を抜粋・編集したものです。

「売上=お客さまの数×単価×頻度」で
ビジネスは成り立つ

「1→10」から「10→1000」へと拡大していく流れを説明するにあたって、ビジネスの基本となる「売上」について考えてみましょう。企業が存続するうえで「売上を上げる」というのは大前提です。では、売上を上げるために何をすればいいのかは、次のように売上を因数分解してみるとわかります。

 売上は、この式のように「お客さまの人数」と「お客さまが買う金額」と「何回買ってくれるか」の掛け算で表すことができます。

 たとえば、企業が便益と独自性のあるプロダクトを提供して、それらを認知してもらい、価値があると感じてもらえたら、お客さまの人数は増えていきます。プロダクトを繰り返し購入してもらえると、購入頻度が上がりますし、さらに購入後、お客さまに高い価値を感じてもらえて、関連商品や関連サービスにも高い価値を感じて購入してもらえると、単価が上がっていきます。お客さまの人数が変わらなかったとしても、単価と頻度が上がることで、売上(=お客さまの人数×単価×頻度)も上がっていきます。

 価値を感じてもらえるプロダクトであれば、消費量の増加につながっていき、さらには異なるプロダクトの同時購買や追加購買につながっていくのです。その反対に、便益と独自性がありそうだと思って購入したけれど、使用後に価値を感じられなければ、そのお客さまは、その商品はもちろん関連商品や関連サービスを買うこともありません。