過激な市民団体への
規制を強化

 革新系市民団体「ロウソク勝利転換行動」が4日、日本大使館まで行進デモを行おうとしたが、警察の禁止通告により不発に終わった。

 この示威活動は、尹錫悦大統領の三一節演説に憤りを感じる市民を動員し、日本大使館を取り囲む行進の準備をしていたものである。

 日本大使館前のデモは、外交関係に関するウィーン条約と韓国の国内法で禁止されているが、歴代の韓国政権は「示威デモではなく記者会見だ」とする主催者側の説明を受け入れ、許可してきた。だが、尹錫悦政権は初めて同条約と国内法を厳格に適用し、禁止した。

 政治活動を行う市民団体は、韓国政治の中で甘やかされてきた。特に、文在寅政権下では市民団体に支給された補助金が毎年平均4000億ウォン(約420億円)ずつ増え、今は5兆ウォン(約5230億円)を超えている。その多くが不透明、不適切に支給されているといわれる。これまで摘発されただけでも不正受給は2300億ウォン(約240億円)に達している。

 尹錫悦政権はこうした補助金の使途を調査し、メスを入れることにしている。10億ウォン(約1億円)以下の補助金は会計監査が免除されるという、緩い補助金法も見直す予定という。

 市民団体の問題を追及することは国民の反発を受けかねないというポピュリズムの心情が市民団体を甘やかしてきたが、尹錫悦政権は「法と原則」を厳格に適用する考えのようである。その手始めとなったのが、日本大使館前のデモの禁止ではないか。