自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

「褒めるところがない人」を「嘘をつかずに褒める」テクニックPhoto: Adobe Stock

すぐ口に出すのが褒め上手への第一歩

「褒め方」のコツもお伝えします。人を上手に褒めるのもなかなか難しいものですよね。

基本的には「いい!」と思ったら、ちょっとしたことでもその場ですぐ口に出して褒めてください。

たとえば、相手の言葉がいいと思ったら「その言い方、いいですね」と会話中に伝える。

出されたお茶がおいしかったら「あ、おいしい」と口に出して言う。

単純なことのように思えますが、意外とできている人は少ないので、それだけで好印象を与えることができます。

また、褒めるときにはできるだけ大勢の前で褒めるようにしてください。

人前で褒められると「自分の頑張りが他の人にも伝わっている」という喜びを感じられるからです。

そして、褒めるときは「プレゼン、よかったよ」と抽象的に言うのでなく、「昨対比のグラフがわかりやすくて、よかったよ」など、できるだけ具体的に褒めるようにしてください。

「中途半端に褒める」のは絶対ダメ

せっかく褒めるのであれば「120%とことん褒めちぎる」意識を持って実践することも大切です。

「よかったよ」よりも「本当によかったよ! 会社にとってこれ以上ない大きな一歩だよ!」と大げさなくらい褒められたほうが、やっぱり相手も嬉しいものです。

褒め方で一番よくないのは「中途半端に褒めること」です。

中途半端な褒め方は「軽く扱われた」と逆効果になることさえあります。

たとえば、彼女に「ネイル変えたんだけど、どう思う?」と聞かれたとします。

そのとき、めんどくさいからと「いいんじゃない。かわいいと思うよ」などテキトーに褒めてしまうと「はぁ?」と怒りを買ってしまうでしょう。

少しでもかわいいと思ったのであれば「え! めっちゃかわいいね。前のもよかったけど、今回のも本当にかわいい。すごく似合ってる」くらい褒めちぎったほうが明らかにいいのです。

どうせ褒めるなら、とことん褒めましょう。

噓をつく必要はありませんが、「1を10に、10を100にして褒める」ことが上手な褒め方のコツです。

マイナス以外は全部褒めていい

相手の嫌なところばかりが目について、褒めるところが見つけられないという人もいると思います。

一つ、とても簡単なテクニックを紹介しましょう。
「批判できないところは、全部褒める」です。

たとえば、家の片付けができていない人には「こんなに忙しいのに、家のことがほとんどできててすごい! 片付けは大変だし中々できないだろうけど、その他は全部できているのはすごいよ!」と言ってみる。

〆切を守らない人には「最後まで粘って形にする姿勢がえらい! クオリティもすごく高いし、修正もほとんど必要ないね。もっと時間をあげられたらよかったんだけど、ここまで仕上げてくれると嬉しいよ!」と褒めてあげる。
噓を言っているわけではありません。

批判できない点は、たとえ「できて当たり前」のことでも、褒めていいのです。

むしろ「当たり前」と思っていたことが褒められると、予想外に嬉しく感じます。

褒められたことで「じゃあ、あとは片付けだけ頑張ろうかな」、「次は、〆切に間に合わせなきゃ」と本人もやる気になるはずです。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)