【2】飽満感や腹痛の原因になることも

 糖質を処理するために、膵臓(すいぞう)から分泌されるのがインスリンです。

 前出のランガー博士によれば、「糖質の多い食事をすると、インスリンの分泌量が増すことで、腹部膨張感が生じる可能性があります。食事の量が多くなれば、それを消化するのにそれだけ時間がかかることになるわけです。つまり、チートデイに食べたものは胃の中に長く留まることになるので、ガスと共に腹部膨張感を生み出す可能性が生じるというわけです」とのこと。

あなたは、「チートデー」を信じますか?

【3】過食は運動量の低下につながる

 2012年11月に『Obesity』誌に発表された肥満に関する研究論文によると、体質が「肥満傾向」(本人や家族の体重履歴などから導き出されます)にある場合、食事を通じて適量の1.4倍のカロリーを過剰摂取することで、その日の運動量は著しく低下すると報告しています。つまり、「肥満になりやすい」ということを述べているのでしょう。

 このような運動不足は、体重増加のリスクを高めるだけでなく、さらに健康面全般にとって悪影響を及ぼす可能性も示唆していると言えるのです。

【4】チートデイのおかげで、食事制限を続けられるという場合も

 消費心理学の専門誌『ジャーナル・オブ・コンシューマー・サイコロジー(Journal of Consumer Psychology)』誌に発表された研究には、「チートデイを取り入れることで、計画どおりの食事制限を守ることができた」という事例も報告されています。

 そこでの被験者たちは、「チートデイに好きなものをさまざま食べましたが、1週間毎に出した目標カロリー数からは逸脱していない」ということ。これは、留意すべき事柄でしょう。