新線開業で思い出される
副都心線の混乱

 新線開業と言えば、思い出されるのが2008年6月14日に開業した東京メトロ副都心線の混乱だ。開業初日から自動運転の列車が停止位置修正を連発。開業と同時に開始したワンマン運転の取り扱いもスムーズではなく、遅延が積み重なっていった。

 この遅れを指令所が収束させられず、他社線で事故が起こると有楽町線を巻き込んで大遅延が発生する惨状で、開業前の期待は失望と怒りに変わっていった。当時、広報担当者としてマスコミ対応に当たっていた筆者も各方面に頭を下げ続けた苦い記憶である。

 こうしたあしき前例もあり、新横浜線についても開業前から複雑な運行形態に起因する遅延の連鎖を懸念する声があがっていた。さらに東急が同時に東横線のワンマン運転化に踏み切るという、どこかで見た構図に不安が広がっていた。

 とはいえ新線開業初日が何かと慌ただしいのは乗客も承知の上であり、それを見越した土曜日開業なので大きな混乱には至らない。だが問題は初めて迎える平日だ。

 副都心線も土曜日の開業であり、当日からほころびは顕在化していたが、社会問題となったのは最初の平日となる16日のことだった。新横浜線も20日と祝日を挟んだ22日に混乱が生じるのではないかとの懸念が広がったのである。

 しかし両日は最大でも5分程度の遅延に収まっており、ひとまず懸念は回避された格好だ。ワンマン運転でどのようなトラブルがあったのか。20日までにどのような対策を取ったのか東急に聞いたが、期日までに回答は間に合わなかった。これについては改めて伝えたい。

 なお東横線は今も一部列車に車掌が添乗しているが、これは当初から予定されていた段階的なワンマン化によるものであり、ドア操作は運転士が行い、車掌は安全確認などを補助しているそうだ。