リニア開業は雲行きが怪しく…
でも絶対必要な「メイエキ大改装」

 リニア新駅に近い桜通口・太閤通口で再開発が進む中、肝心のリニア中央新幹線は諸事情で工期が遅れ、27年度の開業予定が不透明になっている。

 とはいえ現状の名古屋駅は、「乗り換えが複雑で分かりづらい」という問題を抱えたままだ。例えば、市バスのターミナルから名鉄名古屋駅まで歩くとすると、狭くなったり広くなったりする通路を何度も何度も曲がり、たどり着くまで一苦労だ。

 繰り返しになるが、こうした地上にも地下にも移動するケースも多い複雑きわまりない移動経路が、「名駅(メイエキ)は迷駅」と言われるゆえんだ。

 平成元年のデザイン博を機に、「実用性一辺倒からの脱却」と誉めそやされた名古屋駅周辺の街づくりは、一定のデザイン性を残しつつも、令和になって実用性重視に立ち返っている。

 名鉄・近鉄の名駅再開発や、リニア開業は遅れつつあるが、東海圏の中心地である名古屋駅は、せめて普通に乗り換えができるようになってほしいものだ。次の時代に向けたメイエキの再構築が、好転することを見守りたい。

(ライター 宮武和多哉)