また、母数が少ないのであくまでも参考値となりますが、専攻が明確で、企業から即戦力と位置づけされやすい理系の大学院生の内定率は、64.9%にのぼり、半数以上の人が内定を持っている状況です。

 24年卒の内定率が3月中旬時点でこのように高い状況になっていることは、企業の採用意欲の高さの表れだと捉えれば学生にとって望ましいことにも思えますが、企業の採用スケジュールが見えづらくなると学生の混乱を招く可能性もあります。学生が学修時間等を確保しながら混乱せず就職活動に取り組むことができているのか、改めて考える時期に来ているのではないかと感じます。

インターンシップ参加の有無で
就活期間に大きな差

 最後に、24卒学生の就職活動期間はどれくらいになるのかというご質問に、参考になればということで、23卒の学生に就職活動期間に関して聞いたデータをご紹介します。23卒は22卒に比べて0.8カ月も就職活動期間が長引いており、実質8.36カ月にもなります。インターンシップは本来就職活動ではないという位置づけですが、インターンシップも就活準備ととらえている学生も多いため、「実質的に就活を始めたのはいつか」という質問をすると、こうした数字となります。インターンシップ参加者と非参加者では、就職活動期間がそれぞれ9.11カ月、5.75カ月と大きな差が生じています。

 以上が24年卒の足もとの就活・内定状況ですが、就活はこれからが本番です。就活生の皆さんは、自分らしい生き方を実現できる職場に出会うために、焦らず、悔いのない活動をしてください。

(リクルート 就職みらい研究所 所長 栗田貴祥、まとめ/ライター 奥田由意)