内定率が高い一方で、
内定獲得後も就活を終えない学生たち

 次に、学生が内定を取得している企業の業種を見てみると、早期に内定が出る業種は、従来は外資系やIT系の企業が多かったとされていましたが、 3月18日時点のデータでは一部情報通信業の早期の内定率は高いとはいえ、前年同時期と比べて、割合的には若干下がっています。対照的に、コロナが落ち着き始め、飲食店や宿泊業などコロナの影響を受けていた業界の採用意欲が景気の回復局面で上がり、内定を早めに出している傾向がみてとれます。

 一部の業界だけで一部の学生に内定が出ているというより、幅広い業界で 幅広い学生に内定が出ているのが24卒の特徴と言えます。

 2月末までの学生の活動実施状況を前年同時期とそれぞれ比較したところ、学生側は情報収集に関しては、前年と同水準の活動を行っているようです。特徴としては、合同説明会・セミナーや個別企業説明会・セミナーの実施量が減っていますが、代わりにWeb上での面接や面接など対面での選考を受けたという項目の実施率が昨年に比べて増えています。やはり、企業の採用活動が早くから始まっているので、学生の活動も選考フェーズの動きが高まってきているのではないかと思います。

 ただ、先述した通り、2月の最終面接実施量自体は昨年よりも少なくなっているので、学生側が企業を絞り込んで活動している傾向がありそうです。最終面接の実施率は前年同時期と比べて伸び率が高くなっています。

 大学生全体の就職活動実施率は3月18日時点で85.4%となっています。これは、前年同時期に比べほぼ同水準と見て良いかと思います。内定未取得者の活動実施率は94.0%、内定取得者の活動実施率は71.9%と共に前年同時期と同水準となっています。内定を持っている学生でも7割以上の学生が就職活動を継続しており、大手企業の選考が本格開始され、選考結果が出る6月以降までは、内定取得者でも就職活動を継続する学生が多いのが毎年の傾向になります。