あなたは人からどう思われているか? どうすればもっと良い印象を与えられるか? 印象が形成される仕組みと、印象を良くする魔法のメソッドを紹介した名著『第一印象の魔法』の邦訳版が4月12日に刊行される。心理学の知見から「言動」と「人に与える印象」の関係性を読み解いた、世界21ヵ国で刊行されるロングセラーの一冊だ。仕事、就活、転職、人間関係、恋愛――。すべての出会いがチャンスに変わる魔法のメソッドとは? 今回は、本書の内容の一部を特別に公開する。
ほどほどの「ごますり」は効果あり
職場での「ごますり」には効果があるのだろうか。ごますりとは、お世辞を言う、へりくだる、頼みをきく、意見に同調する、自己アピールをする、などだ。
ある研究では、部下、同僚、上司に対するごますりの有効性を調査した。その結果、これらはすべて、少なくともある程度は効果があることがわかった。
ごますりをした人の好感度は上がり、良い評価を得ることができたのだ。少なくとも、職場ではごますりをしたほうが好感度も評価も上がるということだ。さらに、上司よりも部下や同僚へのほうが、効果が高いことがわかった。
また、上司に対して最も成功したのは「お世辞」であり、最も成功しなかったのは「自己アピール」だった。ただし、ご機嫌取りがあからさまで、恩着せがましい場合は効果が少なくなった。
積極的に自己アピールをしたり、あからさまなお世辞は逆効果になるので、ほどほどが肝心だということだ。
(本原稿は、『第一印象の魔法』の内容を抜粋・編集したものです)
アン・デマレイス、バレリー・ホワイト
ファーストインプレッション社の創業者。ともに心理学博士。経営者や企業幹部の「第一印象」のコンサルティングに特化したユニークな事業は、新聞、雑誌をはじめ、BBC、CBSなど、多くのメディアで取り上げられ反響を呼んでいる。世界21ヵ国で刊行、全米ロングセラーの『第一印象の魔法』が日本でも刊行。