今冷静に考えれば、権力にすり寄る彼らの努力は、洋の東西を問わず、さらに上に近づく最も大事な準備作業であり、彼ら自身不本意ながらも、清濁併せ呑む覚悟でそれを積み重ねていたのかもしれない。むしろ、その先輩や同僚を非難するより、称賛すべきだったのかもしれない(つまり、あなたがアホと思っている人は、実は誰よりも賢い可能性があることを忘れてはならない。ただ、本当のアホもいるので注意が必要だ)。
田村耕太郎
定価1,430円
(朝日新聞出版)
権力にすり寄る行為に嫌悪を感じて、そういうことをする人たちと戦おうとしていた自分はとてつもなく青臭く、今思えば情けない。
幸い先輩が常に守ってくれていたので事なきを得た。それ以上に幸いだったのが、そうした政界で長いキャリアを持つ先輩たちからアホと戦う無駄さを教えていただいたことだ。その結果、頭に来たり恨んだりすることで、本来はステップアップに使うべきエネルギーや時間を相当浪費してしまっていることに気がついたのだ。
《ベストセラー『頭に来てもアホとは戦うな!』では、厄介な他人と向き合うための具体的なコツを伝授している。4月24日には続編となる『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』が発売予定》
※AERA dot.より転載